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「工房」っていうのはちょっと違うんじゃないか

更新日:2020年9月19日




 日本ではサインのある絨毯を「○○工房」という風に呼びます。有名なところでは、イスファハンのセイラフィアン工房や、クムのラジャビアン工房など、見聞きされたことのある方も多いかと存じます。


 以降、イスファハンについての話になりますが、実はこの「○○工房」という日本語からイメージする「工房」はほぼ皆無です。ではどこで絨毯をつくっているのかというと、実は絨毯を織る個人の家の作業場でつくられています。この「作業場」に該当する語、ペルシア語の「カールガーハ」を「工房」と訳したのだと思いますが、あくまでも個人宅の空いている部屋やリビングの片隅に織機を置いた作業場であって、日本語の意味するところの工房である「親方と雇われた数人の職人が働いている小さな工場」ではないのです。イスファハンでは、こういった絨毯を織る家の多くは、市の北部、シャーヒーンシャハルという地区に集まっています。

 クムのシルク絨毯の「工房」も現地で調べたわけではないですが、恐らく同様だと思います。


 じゃあ絨毯の端にペルシア語でつづられたあのサインは一体何なのよ、という話になりますが、サインはその絨毯をデザインしたデザイナーの銘だと考えるとよいでしょう。織った「工房」の名前ではありません。