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執筆者の写真rugsrang

シルク両面絨毯を織るトルキャマンの村


 トルキャマンとはトルクメン人を指すペルシア語です。トルクメン人はトルクメニスタンに最も多くの人口が住んでいますが、イラン国内にもトルクメニスタンとの国境地帯に彼らの居住する村が点在しています。

 そんな村のひとつドゥイドフで、とてもめずらしい両面ともパイルの結ばれたシルクの絨毯が作られています。


北ホラーサン州 ジョルギャラーン ドゥイドフ村

 イラン北部、北ホラーサーン州の州都ボジュヌールドから北西に車で3時間半位の距離に位置します。ボジュヌールド自体も交通の便が悪いので、結局、隣の州のイラン第二の都市マシュハドから片道8時間のロングドライブで行って参りました。

 この地域、なんと途中からグーグルマップに村々も道も載っていません。拡大しても何も無い空欄地域です。分かれ道に案内標識がないので迷いに迷い、村人たちに道をききながら進みます。途中から舗装も途切れてかなり心細くなりながらも、ようやく到着。


トルキャマンの村 ドゥイドフ イラン


ドゥイドフ村 イラン トルキャマン 馬

 この村はトルクメンのテッケ支族の村。19世紀にロシアとの戦いに敗れるまで、野盗や奴隷狩りで有名な部族として中央アジア一帯で恐れられていました。そんな歴史もあり、最初はちょっとびびりましたが、現代ではそんなことはなく温和な人々です。元々は遊牧民でしたが、今はこのような村に定住して暮らしています。


ドゥイドフ村の家 トルキャマン


両面織 シルク絨毯 トルキャマン ペルシャ絨毯 ドゥイドフ村

 村の中の一軒の家で、いよいよ両面織のシルク絨毯と対面。ペルシア語ではドルー(二面)と呼ばれています。かぎ針をつかわないペルシア結びで作られます。写真のように二人で向かい合って一段ずつパイルを指先で結んでいきます。

 街から買ってきたシルク糸を、村内で染色しています。すべて天然染料で染めているとのこと。


村一番の絨毯織のおばあさん ペルシャ絨毯 シルク ドゥイドフ村

村で一番の絨毯を織るおばあさん

 この地域の風習で、既婚の女性は口元を人に見せません。妻の息は夫のものということらしいです。写真をとられるのもかなり抵抗があって、若い女の子たちはとても美人揃いなのですが今回はNG。残念。遠巻きで私を眺めて目が合うとクスクス笑います。かわいいです。


ドゥイドフ村 トルキャマン シルク絨毯 両面織


ドゥイドフ村 トルキャマン シルク絨毯 両面織

 ジョルギャラーン地区にはいくつもの村がありますが、シルクの両面織はここ、ドゥイドフでしか作っていません。50年程前からシルクの両面織を作り始めたそうです。デザインは写真のようなトルクメンの伝統柄はもちろん、カシュガイ風だったりヘリーズ風だったり他地域のデザインも取り入れて作っています。

 クムのシルク絨毯とはまた違った、野趣にあふれ、心に直接訴えてくるような魅力のある絨毯です。今回はトルクメン柄の2枚の絨毯を仕入れました。

 聞くと、なんと日本人が村に来たのは初めてとのこと。光栄にも初の日本人顧客になりました。


トルクメンの村でチャイをいただく ドゥイドフ村

 チャイと昼食をごちそうになりました。

あいにくラマザーン中でしたのでご主人は口にはされませんでした。村の女性は来客には同席しません。

 メインは茹でた子牛肉。味は塩とわずかな香辛料のシンプルな味付け。とても柔らかく、脂っぽいのですが臭みがなく、とてもおいしいかったです。なぜか私の住む秋田で食べる馬肉の煮つけによく似た味でした。

 イランのご家庭に招かれると大抵バナナがでてくるのですが、どうも昔の日本のように『バナナは高級品』というイメージがあるようです。


トルクメンの村 村の手作り料理 子牛肉 イラン トルクメン料理 ドゥイドフ村

 その後、隣村の警察に連れていかれて署長と面談。国境地帯ということで、外国人登録が必要です。ここに限らず、イランで観光客の行かないような村にいって警察にみつかると、ほぼ100%誰何されます。

 旅行者のパスポートはホテルが基本預かることになっていますが、郊外に出かける場合は、携帯していないと面倒なことになるのでご注意を。


トルキャマン シルク両面織絨毯 販売中

 ドゥイドフ村で仕入れた絨毯を販売中です。是非ショップサイトをご覧ください。

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