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  • 執筆者の写真rugsrang

ハンマーム



ハンマーム ケルマーン チェシュメ

 日本人ならやっぱりお風呂が一番ですよね。湯舟につかると一日の疲れがとれていく気がします。

 だから海外旅行中「たまにはシャワーじゃなくてお風呂に入りたいな~」と思う方は多いと思います。イランでは、よっぽどの高級ホテルでもない限りバスタブはホテルにはありません。しかしながら一日の旅程を終えてホテルに戻ると、全身土埃にまみれるイランの大地ですので、ますますお風呂が恋しくなるわけです。

 ケルマーンにはガンジャリハーンハンマームという1600年代に建設された歴史的なハンマーム(公衆浴場)がバーザール内にあります。ですがあくまでもこれは「歴史的」であって、現在では博物館になっています。このイランの伝統的なハンマームの写真をご紹介したいところなのですが、今まで二度訪問したにもかかわらず、いずれの機会も運悪く閉館中でして、残念ながら実際に見たことが無いのです。ご興味のおありの方は“Ganjiali khan Hammam”でググってくださると画像など出てきますのでご覧になれます。

 というわけで過去の遺物ではなく、今もやっているハンマームは無いの?とタクシーの運転手に尋ねると、ケルマーン郊外に一軒あるとのこと。夜8時からだそうなので営業時間を待って、さっそく連れて行ってもらうことにしました。


着いたのは、ケルマーンのハンマーム“チェシュメ”(「泉」の意)。

 私は9時に着いたのですが、すでにサービスするには時間が足りないとのことでお断りされてしまいます。市の中心部からタクシーで20分もかけて来たのにこれではあまりに切ないので、「日本からはるばる来たんだぞ」と、何とかねじ込んでもらいました。

 価格体系がいくつかあって、一番高いスルタンコース(そそる名前!)をお願いします。4,000円位だったと思います。垢すり、マッサージ、キュウリパックと、さらに別室でのオイルマッサージのコース。イラン風ドリンク一杯付きです。この施設は貸しタオルと水着の販売もあるので手ぶらでもOK。



 スマホはさすがに持ち込めないのでパンフレットの写真しかなくてすみません。内部はこんな感じです。写真の伝統的なハンマームの他に、大きなプールとフィンランドサウナ、トルコ風サウナもあります。

 内部はとても清潔。海パンに着替えてからシャワーを浴びて、いよいよジャグジー風呂にざぶんとつかります。ホント至福の瞬間でした。

 しばらく浴槽で温まったあと、ガタイのいいお兄さんに呼ばれて垢すりの始まりです。床暖になっている大理石の上に横になりゴシゴシ。その後、全身石鹸の泡に包まれてマッサージ。上の写真の左に袋を持っている人がいます。ちょっと見えづらくてすみません。この袋に石鹸水をしみ込ませ、空気を入れて膨らませてから絞ると柔らかい泡が大量に出てくるのです。マッサージもお兄さんが色々な技を掛けてくるのですが、悲鳴を上げるほど痛かったりはしないのでご安心を。その後体を流してからキュウリパック、冷たいドリンクサービス、オイルマッサージ、と続きます。

 極楽極楽、ほんとうに旅の疲れが癒されました。イランのハンマーム、とてもおすすめです。けれど女性の方はすみません、男性用しかありません。

 マッサージを終えてプールサイドのサウナにも入りました。ふと見ると、サウナの入口にはロシアのバーニャ(サウナ)につきもののコレが!


バーニャ サウナ 水桶

 何という名前なのかはわかりませんが、頭上の桶の中には冷水が溜まっていて、鎖を引っ張ると頭から水をかぶることが出来るというハイテクな代物です(写真はロシアのもの)。いっちょ日本男児の心意気を見せてやるかと、下に立って冷たい水をバシャーとかぶると、周りの子供たちに大笑いされました。

 ケルマーンは年間降水量が135ミリ程度の乾燥した気候で、街のまわりには荒涼とした砂漠が広がっています。それなのにジャグジーはかけ流しで、シャワーからは勢いよく水が出て、大きなプールは水をなみなみと湛えています。思えばとても不思議な光景です。もちろんこれは、ケルマーン州の南部がかなりの山岳地帯になっていて、降った雪が地下水となって流れているので水があるわけですが、このような砂漠の街で水遊びとは、とても贅沢な気分に浸れるものでした。

Cheshmeh (チェシュメ)

http://www.cheshmehclub.ir

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