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  • 執筆者の写真rugsrang

テヘラン ゴレスターン宮殿



シャムスアルエマーレ ゴレスターン宮殿

 テヘラン市内にある世界遺産、ゴレスターン宮殿をご紹介します。

 ゴレスターン宮殿には、ガージャール朝の王宮として18~19世紀に建てられた建築物が残っています。もともとこの場所にはサファヴィー朝(16世紀)の城塞がありました。その後18世紀のザンド朝のカリム=ハーンによって改築された後、そのザンド朝を滅ぼしたガージャール朝、アーガー=モハンマド=ハーンがここを公式の宮殿としたものです。20世紀のパフラヴィー朝の時代まで使われており、パーレビ国王の戴冠式にも“大理石の玉座”が使われました。


大理石の玉座 ゴレスターン宮殿

 チケット売り場を抜けると正面に見えるのがその“大理石の玉座”。あいにくの工事中。

 ゴレスターン宮殿は、テヘランの大バザールの隣にあります。大バザールの周りはいつも買い物客でごった返しており、子供の物売りや物乞いもいて、いかにもスリにやられそうな気配がムンムンです。自然とカバンを抑える手に力が入ります。この雰囲気にもかかわらず身の周りを警戒しない海外旅行者はまずいないかと思いますが、念を入れてスリには充分お気を付けください。

 チケットは例によって外国人価格。具体的な価格は忘れてしまいましたが、京都あたりの寺社の拝観料と同レベル位な印象でした。イラン人価格と丸一個違うので文句も言いたくなりますが、イラン国民の税金で維持管理されていると考えれば、外国人観光客はその分多く支払うのも道理が通っているともいえます。


 レセプションホールの入口。


ミュージアムとして建てられた建物。現在はガージャール朝期の絵画が展示されています。


オスマントルコのアブデュルハミド帝から贈られた品々を保管するために造られた建物


ペルシャ絨毯的なデザインがそこかしこに


ザンド朝カリム=ハーンによる建造物。“離れ”と訳すべきか“コージーコーナー”とするべきか。


ポンプアップされた水が外の水路に流れ出ており、涼し気です。



 レセプションホールのある建物のエントランス。鏡張りでキラキラ。大理石の階段。


細やかな装飾が美しいです


レセプションホール。玉座に腰かけているおじさんは蝋人形です。やはり絨毯は外せないですね。


カーシャン・ジョーシャガン産 , 13世紀(ヒジュラ歴), トルコ結び , 25ラッジ , マーヒー ダルハム ヘラーティー デザイン , サイズ65平米(!!!)と書かれています。 


“鏡の広間” 

 敷かれた絨毯は19世紀 マシュハド アモグリー工房製。シェイフサフィーと呼ばれるデザインです。中央のテーブルはナポレオン3世に贈られたものだそう。


“輝きの広間”

 絨毯は1912年、カーシャーン産のデラハティー(木)デザイン。

 宮殿内のどこを見ても豪華絢爛。しかしガージャール朝の時代は、領土の失地、関税自主権の喪失など、内憂外患の暗黒の時代でした。

 隣接するガージャール朝期の絵画の展示。普段、美術館や展覧会では写真は撮らずに気に入ったら図録を買うのですが、絨毯が描かれているのでついつい撮影。フラッシュ禁止なので緑っぽい照明のままになってしまっています。


 見えづらいですが、絨毯はボテ(ペイズリー)の総柄。


水たばこを吸いながらバックギャモン(イラン発祥)に興じる二人


部屋中に絨毯を敷き詰めるのは今も昔も変わらないイランの伝統


 こうしてみると、描かれている絨毯はほぼ総柄でした。この時代にもっとも一般的なデザインだったのでしょう。もちろんメダリオンタイプも昔からあるのですが、博物館に展示しているような古い絨毯には総柄が多いです。

 イランに仕入れに行くときは、到着日と最終日位しかテヘランに滞在しておらず、それもほぼ絨毯バザールで輸出業者と打ち合わせしかしていないので、実はテヘラン市内をゆっくり観光したことが無いのです。ゴレスターン宮殿はバーザールに近いので今回寄ることができました。次はもう少しテヘランで時間をとって、北側(山の手・アッパークラスの地域です)も観光してみたいなと考えています。

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