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  • 執筆者の写真rugsrang

ハーレドナビー廟



ハーレドナビー廟

 ゴレスターン州北部、トルクメニスタンとの国境近くにある預言者ハーレドナビー廟へ訪れました。

 州都ゴルガーンのホテルから北部のゴンバデカーヴースまで車で1時間半。まずは前回お取引させていただいた、トルキャマンの絨毯商を再訪しました。


 店主のサーダト氏。20代の若社長さんです。イラン各地の絨毯展示会にも積極的に出品しています。彼もヨムートのトルキャマン。やはり顔立ちが一般的なイラン人(といっても様々ですが)と異なります。


 トルキャマンの絨毯といえば赤いギュル文様のイメージですが、現在ではイランの他地域の影響を受けた様々なデザインの絨毯が織られています。イラン人にはこういったトルキャマンのオリジナルではない新しいデザインの絨毯のほうが人気だそうです。私自身はやはりトルキャマンの伝統柄のほうが魅力的に見えますので、ギュル文様だけをチョイスして仕入れました。この地域では20~30年前まではほぼすべて草木染で織られていました。古いものは濃い赤がメインの色数の少ないものがほとんどです。今回はユーズドの古いものと新品、両方を仕入れました。惜しむらくは前回よりも相場が上がっており、あまり多く仕入れられなかったこと。新入荷の商品は少し価格があがってしまいます。

 さて、ランチをご馳走になったあと、サーダト氏にハーレドナビー廟への道を聞いてから出発です。グーグルマップがあるのですが念のため。僻地に行くと電波が無いことが多いので。

 ゴンバデカーヴースから羊や山羊の放牧をしている丘陵地帯を車で2時間程で到着。



 絶景。

 誤解のないように申し添えますと、バックの山々はすごい高山地帯に見えますが、実際は標高はそれほど高くはなく、山というより丘に近いです。


 向こう側はトルクメニスタン。一度行ってみたい国ですが、個人旅行はなかなか難しそうです。画像中央やや下に放牧の群れが見えます。吹き渡る澄んだ風が気持ち良い所でした。

 ハーレドナビーは4世紀のイエメン人。イエスとムハンマドの間の預言者です。ですのでハーレドナビーはイスラム教徒ではありません。もちろんキリスト教の立場ではイエスが最後の預言者になるので、あくまでイスラム教の中でムハンマドの前の預言者とされている、という話です。

 このハーレドナビーはWIKIもないのでどんな人物だったのかわからないのですが、この地に布教に来て、偶像を崇拝していた人々を啓蒙したそうです。そしてここで亡くなり、廟がたてられたわけですが、伝説ではハーレドナビーの死後、人々は再び偶像を拝み始め、それに怒った神が彼らを石に変えてしまったそうです。


 その石がこれ。実際はそれほど古いものではなく、16世紀頃~新しいものでは19世紀の物らしいです。廟から徒歩で30分位の所に、この石塔(墓石)が乱立しているのですが、時間が無く、運転手が難色を示したので断念。


 インスタグラムから拾いものですがこんな所です。棒状のタイプと、左右に広がる丸みを持つタイプの二つがあります。男根と女性器(ないし女性の胸)を表していると信じられていますが、実際の所は不明な模様です。棒状のタイプは同じ高さのものが一本も無いそうで、謎の遺跡、といっても過言ではありません。

 帰り際、廟の周りでのんびりキャバーブを焼いている民族衣装のトルキャマンのおじいさん達から、断っても断っても、食べろ食べろとすすめられたので、一本、手羽先のキャバーブをいただいてしまいました。これがまた柔らかくジューシーで超絶美味。トルキャマンの人々は親切は人が多いな、と改めて感じます。もちろんイラン人もよく勧めてきますが、あくまでタアッロフ(建前・礼儀として)な場合が多いので。

 しかしながら、せっかくの一期一会に写真を撮り忘れてしまいます。キャバーブのおいしさですっかり失念してしまいました。こういう所が私のダメな所だなあ、と後悔しきりです。

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