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  • 執筆者の写真rugsrang

キルギス旅行

更新日:2020年9月19日


 中央アジアの山と湖の国、キルギスへ行ってきました。


 キルギスは旧ソ連の共和国で、ソ連崩壊後に独立した国です。そのため今もロシア語が広く話されています。今回、家内の趣味で習っているオンラインロシア語教室の先生がキルギス人だったこともあり、旅行することにしました。


 キルギスの観光地と言えば、イシク・クル湖。標高1,600mの高地にあり、千葉県と同じ位の面積を誇ります。透明で青い湖水、遠くに見える天山山脈、湖に沈む遺跡、玄奘の大唐西域記に彼がここを通った記載があり、ソ連時代は外国人立入禁止だったというロマンのかたまりです。もちろん首都ビシュケク市民にもレジャー先としてとても人気で、北岸にはリゾート施設や土産物屋などが立ち並びます。



 湖の東端の入り江に面した村の、農家民宿に宿泊しました。乳しぼり体験や乗馬、釣りなんかをしてのんびり過ごします。自家製の卵、自家製の牛乳、特別な物は無いですが、キルギスの農家の暮らしを楽しみました。宿の主人はビシュケクの大学出で英語と少し日本語を話します。夜には彼の弟と友人も来て、ロシア式にウォッカで乾杯。


 釣りの案内をしてくれた村の少年。顔が日本人にとても似ています。田舎のサッカー部の少年みたい。天山山脈を眺めながら、夕刻まで釣りを楽しみました。小さなサイズだけでしたが、釣れた魚は素揚げしていただきました。



 キルギス中部の街カチコルに移動し、シルダックという伝統的なフェルトの敷物を探しました。ビシュケク市内にもシルダックを売っている店は多くあります。シルダックの生産はこのカチコル付近が多いようです。


 ビシュケク市内でも新品を見ましたがあまりピンと来なかったので、ここでは古いものを見せてもらいました。キルギス産のウール、草木染でつくられています。

 店のおばあさん曰く「昔のものがすべてにおいて良かった」とのこと。「これはあたしのばあさんが作った」そうで、50年以上前の品だそう。いずれも色合いが素晴らしいのですが、古いフェルトは絨毯とは違って洗えないのが難点です。記念に一枚買う事にしました。


 あれこれ広げて状態を確かめたり価格交渉をしたりしている間、おばあさんはニコリともしなかったのに、お金を支払ったとたんこの笑顔であります。


 さて、ここカチコルは秘境ソンクル湖観光の拠点となっています。街にはCBTというキルギス観光の大手の旅行代理店やその他の旅行代理店のオフィスがあり、ソンクルまでの移動や宿泊の手配を依頼できます。



 カチコルから2時間車に揺られ、ソンクル湖へ到着しました。青い湖、高山性の花々が咲く草原、家畜の群れ、点在するユルタ、遠くに見える山並み。電気・水道は無く、携帯の電波もつながりません。


 湖畔のユルタに宿泊しました。湖面の標高は3,000m以上。夏でもとても涼しく過ごしやすいですが、日が落ちると想像以上に冷え込みます。ここの人々は夏季のみ放牧にソンクル湖畔にやってきてテントで暮らし、秋にはカチコルの家に戻って暮らしているそうです。



 現地の子供。まだ4つなのに、馬にひとりで乗せてもらい、一生懸命操ろうとしていました。

 

 私たちもホーストレッキングを楽しみます。見様見真似で馬を追ってみたら、走り出しました。草原を馬で走ることが夢のひとつだったので、感無量です。



ところで、こちらがキルギスの国旗。中央のマークはユルタの天井部分を模しているそうです。


実際に泊まったユルタの天井を見上げると、まさに同じ形をしていました。




ユルタキャンプの近くに積み上げられた、土のような茶色いカタマリ。これは噂に聞く牛糞の燃料では!



近づいて触ったり匂いを嗅いだりしていると、ちょっとアンタ大丈夫?みたいな感じで声を掛けられてしまいました。かなり硬いのでハンマーで割って使います。調理火やストーブ(夏ですが!)の燃料になります。匂いは無く、火力も十分でした。



 中央アジアといったらやっぱりバーザール巡りは外せません。ビシュケクに戻り、最も大きく歴史のあるオシュバーザールへ行きました。しかし残念ながら月に1度の休館日に当たってしまいました。そこで「こっちのほうが清潔だよ」と奨められたもうひとつのバーザール、オルトサイバーザールへ向かいます。


 青果物売り場。

こちらは肉屋のバーザール。


 キルギスのバーザールはひとつの大きい屋根の下に店が入っており、その周りにもさまざまな商店が立ち並んでいます。イランのバーザールは土レンガづくりの古い建物の中にあって、迷路のようになっているので、様相が異なります。以前ウズベキスタンで訪れたバーザールはキルギスと同タイプだったので、中央アジアはこういったスタイルなのだと思います。


 飲み物を売るスタンドがあちこちに出ています。左からマクシム、チャラプ、クワス。マクシムは麦を発酵させた、しょっぱい炭酸飲料。チャラプは牛乳を発酵させたこちらも塩気のある飲み物。イランで飲まれるドゥーグとほぼ同じものです。クワスはロシアの伝統飲料。この中では唯一甘い飲み物です。小さい紙コップ一杯で30円位。クワスは元から好きだったのですが、他二つはうーん。しょっぱいくて冷たい炭酸入りの飲み物は苦手です。


 スイカ売り。手前はメロン。キルギス語ではハルボゼ。ペルシャ語と同じ。


 こちらはキルギスで食べた料理数々。左は汁無しラグマン。中央上は焼きラグマン。見た目も味も焼うどんそっくり。中央下はキルギスの肉じゃが。肉の量が多いので、肉と付け合わせのジャガイモという表現のほうが近いです。右はプロフ。キルギス産の赤味のあるコメを使っていて、肉は羊、野菜はほぼニンジンのみ。ウズベクやトルクメンのプロフよりシンプルな味でした。


 そしてやっぱりシャシリク。スパイスに漬け込み炭火で焼く。美味しくないはずが無い食べ物。イランより肉は大きめにカットされています。


 キルギスでの食事は美味しく、またバリエーションが豊富で飽きずに過ごせます。伝統的なキルギス料理に飽きればロシア料理もあります。


 約一週間のキルギス滞在でしたが、とても快適に旅を楽しむことができました。首都のビシュケクは大きすぎないサイズの都市で散策が楽でしたし、街並みもゴミが落ちておらず清潔。車は日本車が驚くほど多く走っています。そして少し足を伸ばせば、素晴らしい大自然が広がる国。もっと海外旅行先として日本で人気になってよい国だと感じました。

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