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  • 執筆者の写真rugsrang

ハマダーン



ハマダーン

 ハマダーンはハマダーン州の州都で、アルヴァンド山の麓に広がるイランでもっとも古い歴史を持つ都市です。紀元前5世紀、古代メディアの時代にはエクバタナという名の首都でした。イランでもっとも古い歴史を持つ都市です。およそ2500年前ですから、古都というレベルを超えています。なお現地語では“ハメダーン”と呼ばれています。訪れたのは夏でしたが、それほど暑くなく過ごしやすい街でした。

 ハマダーン州は昔からイランの穀倉地帯で、街を離れると、小麦畑が一面に広がっています。そのため農耕を営む村落も多く、過去多くの村々で絨毯が織られていました。しかし現在も絨毯を織り続けている地域もありますが、それは残念ながらかなり少なくなってしまっています。

 ハマダーンの絨毯バーザールにはこうした過去に織られた絨毯を中心に、近隣のマルキャズィー州のサルークの絨毯やビージャールの絨毯が集まっています。


ハマダーン バーザール


ハマダーン バーザール

 絨毯バーザールの外にはこのように食品のバーザールが広がっていました。バーザールは基本的に常に買い物客でごったがえしています。

 デパートのようなものもあるにはあるのですが、入ってみると全部家具屋だったり全部子供用品店だったり、基本的に同じものを売る店は一か所に集まって商売する形態です。とにかく個人商店が多くて、全国チェーンのお店はほとんど見かけません。そのせいか地方都市の商業地域でも、制裁による不況と高い失業率にもかかわらず、活気だけはあるように見えます。ここはとても日本の地方との違いを感じるところです。コンビニも無いので、おぼろげに子供のころの記憶に残っている“近所の店”というものが残っています。夕飯前に「ちょっと行ってソース買ってきて」とお使いを頼まれたようなお店です。イランの商業形態をみていると、昔日本もこんなだったんだよな、とどこか懐かしさを覚えます。

 しかしながら地方には基本的にたいしたものは売っていないので、食品の価格を見て「やっす!」と思う以外は、イランでのショッピングで魅力的なものはやはり絨毯しかないよね、と思う次第です。

 ということで、絨毯バーザールに到着。



 いかにも歴史の古そうなバーザール。外の喧噪とはうって変わり、絨毯バーザールは閑散としていて、店の人たちはとても暇そうです。この人たちは日がな一日ぼやっと座っているのかな、なんて思ってしまいます。どうやら個人客というのはほとんど居なくて、絨毯屋同士、横で商品を動かすことのほうがはるかに多いようです。


  古いバーザールの建築を除けば、テヘランでもイスファハンでもそうですが、絨毯屋はこういう形態の建物に集まって入っています。


 地下もあって、それぞれの店につけられた階段や小さなエレベーターで地下倉庫に降りられるようになっています。

 この通り、ハマダーンには相当な量の絨毯の在庫があるのですが、基本的には古い絨毯が多く、さらに新しいものも古いものもとにかく汚れています。絨毯を選ぶときには一枚ずつ上からめくっていくのですが、その時に舞う埃で一発で喉がやられました。なので働く人の中にはマスクを常に付けている人もいます。屋内で絨毯を選んだだけなのに、一日中外にいたみたいな顔になってしまいました。

 この通りですので、仕入れた絨毯は全てしっかりと洗い、修繕すべき所は全て直します。郊外の作業場で仕入れた絨毯の洗浄工程をずっと見ていました。




 何度も何度も、専用の洗剤や重曹、大量の水で洗い汚れを掻き出します。かなりの重労働。


 一旦乾かした後も二度三度と洗います。こうして繰り返し洗うことで、埃だらけの古い絨毯のウールが、輝きを増してきます。


 休憩時間にはやはりチャイ。ミルクティーもアイスティーも無いので夏でも熱々の紅茶。涼しくなった夕刻に外でいただくチャイは格別です。

 ハマダーンの絨毯、古い物もほぼパイルが残っている、そして大きな修復跡などの無い、状態の良いものだけを選んできました。価格もお求めやすく、大変おすすめです。オンラインショップのほうも是非、ご覧くださいませ。

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