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  • 執筆者の写真rugsrang

砂漠ツアー



キャヴィール砂漠

 イランの中央部にあるキャヴィール砂漠へ行きました。

 砂漠ツアーのできる、キャヴィール砂漠の南端にあるメスルという村まで、暑い中エアコンの効かない車に揺られてナインから4時間の道のり。イスファハン州ですが、イスファハンからは直線距離で330km離れています。本当にイランは広い国です。なお、“キャヴィール”とはペルシア語で砂漠・塩漠と言う意味です。


ラクダ

 村に近づくとラクダを発見。砂漠と言えばやっぱりラクダのイメージなのでテンションがあがります。写真のように道端をぶらっと野良ラクダのように歩いているのですが、村で育てているラクダです。ちなみに世界に野生のラクダは存在しないそうです。

 ラクダの肉も食べてみましたが、くせが無く、柔らかくておいしいので、もし食べる機会があればぜひトライしてみてください。もちろん食べるだけではなく、乗って村の周りを散歩できるアトラクションもありました。ラクダに乗るのは初めての経験だったのですが、結構揺れが大きくて乗り心地がかなり悪かったです。ラクダの背に揺られてシルクロードを隊商と旅するなんて想像すると、とてもロマンチックですが、実際にやったら私は多分2時間でギブアップすると思います。


 メスルは砂漠の観光と牧畜で生計を立てている村です。隣の村までは20kmもあります。この砂漠の中で、20年ほど前に洪水(!)によってほとんどの家が流されてしまったそうです。雨が降るとさえぎるものが無く、一気に濁流になって流れてくるのでしょう。川なんてナインからこの村まで230kmの道中、一本も見なかったので想像もつきません。


 キャラバンサライ風のホテルに一泊。なかなか雰囲気があります。伝統的なイランの砂漠地帯の建築は、建物の形状がロの字になっていて、中庭があり、その周りにそれぞれの部屋のドアが並んでいます。外側はぐるりと土壁で窓はありません。

 宿泊した部屋はシャワーとトイレ付。便器がシャワーの排水口も兼ねているというのがなんとも言えなかったですが、シャワーはありがたい。空調もありませんが、シャワーを浴びるとすぐ乾くので涼しいです。


 夕方、少し気温が下がってから古いトヨタのランドクルーザーで砂漠ツアーに出発。

 実は今回の仕入れの旅のうち1週間は家内と小学一年生の娘との家族旅行も兼ねていました。娘との海外旅行は4度目で、今回は勝手知ったるイランですし、それほど大変ではありませんでした。やっと抱っこをせがまずに自分の足で歩いて旅行できるようになれたのも良かったです。


 イランは砂漠の国ですが、砂だけの砂漠は少なくて、このような礫砂漠がほとんどです。今回のツアーでは「砂の」砂漠を目指します。


 道中、涸れ川に立ち寄りました。結晶化した塩の川。不思議な風景です。


 残ったわずかな水の表面が塩の結晶で覆われていて、まるで氷が張ったようでした。娘が手を突っ込んでいますが、すぐに乾いて手が真っ白に。

 お土産にこの塩を袋に採取してきたのですが、イスファハンのホテルで水気を乾かしていたら掃除の際に処分されてしまいました。甘味のあるおいしい塩だったので残念。


 古いランクルに揺られて1時間、念願の「砂の」砂漠に到着。夕日が陰影をつける砂丘。思い出に残る風景になりました。砂の粒子が細かく、素足で歩くと気持ちが良かったです。





 ガイドさんが道中拾った枯れ木を燃やしてチャイを淹れてくれました。砂漠で夕日を眺めながら飲むチャイは格別でした。

 夜には星を見ました。夏だったせいか期待したほどではなかったのですが、冬は降るような星空が見えるそうです。


農業用水

 ナインへの帰途の休憩時の風景。オアシスではなく、カナート(地下水路)から農業用水としてくみ上げた水場です。水には少し塩気がありました。


アヒル水路


アヒル水路

 水路をつぎつぎとアヒルが泳いで(流れて)きて、終点の先ほどの水場までやってくるのが面白かったです。うちの娘はアヒルたちにひたすらパンくず(ナンくず?)をあげていました。

 帰国後もたびたび娘がまたイランに行きたい、というので連れて行ったかいがありました。もちろんまだ小さいので、異なる文化や街並みに興味があるわけではなく、家畜を触ったり、私の友人の同い年の子供と遊んだりしたことが楽しかったようです。

 イラン人は小さな子供にやさしいというか、むしろ甘やかしていると言えるレベルなので、子連れの旅行も結構楽でした。昨年ロシアに連れて行った時も、子連れにフレンドリーな国だと感じました。ちょっときれいなレストランでもプレイルームがあったり、画用紙とクレヨンをもってきてくれたり。地下鉄に乗っているとき、娘がくせで爪をかじっていたら、ロシア人のおじいさんにやめなさいというジェスチャーをされたり、「お母さんだっこ」とせがむので妻が抱いていたら、通りがかりのおばちゃんに「あんたが抱かないとだめでしょ!」と私が怒られたりもして、お国柄も感じましたが。イランもロシアも小さな子連れで地下鉄に乗ると必ず席を譲られます。日本だと無いですよね。他国が幼児や子連れに寛大というよりは、日本が厳しいのかな、と思います。

 子連れの海外旅行は大変な部分もありますが、子連れだからこそ経験できることもあり、公園などで現地の同じ位の子供を連れた家族に「外人」という警戒感をあまり持たれずに、打ち解けてコミュニケーションができたり良い所も結構あるものです。入国審査の長蛇の列を先に通してくれたり税関がスルーだったり、おっさん一人の旅行時と違って、こういう所も楽になった部分でした。

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